はじめに

ピュア・ストレージ・ジャパンは、お客様のデジタル変革を支援する取り組みの一環として、技術セミナー「The Orange Ring – Tech」を開催しています。

ピュア・ストレージのオールフラッシュ・ストレージは、ファイル・サーバーにも最適です。さまざまな用途にフィットしたサーバーを構築することができます。2019 年 11 月 22 日開催の The Orange Ring – Tech セミナー第 11 回では、用途や規模にあわせた FlashArray、FlashBlade の使い分けと、2019 年 4 月に買収した Compuverde の vNAS 技術について、わたくしポール(田中 雄一郎)が解説しました。本稿では、当日の内容を抜粋してご紹介します。

ファイル・サーバーは用途にあわせて使い分けるべし

IT を活用していれば、複数のユーザー間でファイルを共有したいという場面は少なくありません。とは言え、具体的な需要はさまざまで、用途が違えば規模が変わり、それに従って使うべきサーバーも変わります。いくつかの用途例をあげてみます。

例 1:オフィスでのファイル共有

古くから Windows ファイル・サーバーを設置して、オフィスの PC で文書などのファイルを共有していた企業は多いことでしょう。一般社員が利用するため、ファイル名に Unicode を使うといった特徴があります。

例 2:IoT デバイスが出力するログ・データの置き場所

最近であれば、IoT デバイスが出力するログ・データを置く場所として、ファイル・サーバーを利用するケースが増えています。1 つ 1 つのデータ量は非常に小さいものの、膨大な量のファイルを扱う必要があります。ファイル・サーバーとしては、厳しい要件だと考えられます。

例 3:インターネット配信で使用する動画データの置き場所

動画のような非構造化データを格納し、インターネット配信を行っている事業者もあります。例えば、映画配信サービスであれば、1 つあたりのデータ量が大きくなり、これをストリーミングする必要があります。また、昔の映画(アーカイブ・データ)にもスムーズにアクセスできることが求められます。

上記は、ほんの一例です。しかし、こういったさまざまな要件に対して、1 つのファイル・サーバーで全てを実現する必要はありません。無理に大で小を兼ねさせずに、用途や規模に応じて使い分けることを前提に構築することが重要です。

ファイル・サーバーにも使える FlashArray と FlashBlade

ピュア・ストレージは、最強のオールフラッシュ・ストレージを武器に、急速にシェアを伸ばしてきました。ガートナーが 2019 年に発表したマジック・クアドラントにおいて、オールフラッシュ製品しか持たないピュア・ストレージが、プライマリ・ストレージ部門のリーダーに位置づけられました

ガートナーのマジック・クアドラント 2019 年プライマリ・ストレージ部門

ここで、ピュア・ストレージの 3 つの製品シリーズをご紹介しましょう。

  • FlashArray//X シリーズ:データ・ベースや仮想化環境に利用されるブロック・ストレージ
  • FlashBlade シリーズ:アーカイブ・バックアップや AI、データ分析などに利用されるファイル・ストレージ/オブジェクト・ストレージ
  • FlashArray//C シリーズ(2019 年 10 月に新たに発表):大容量データ領域をサポート

これらを使い分けることで、上述したようなファイル・サーバーのニーズを最適化することができます。

小規模なファイル・サーバーとしての用途であれば、FlashArray//X が最適です。Windows File Services という機能を搭載しているため、Windows 互換のファイル・サーバーを構築できます。

大規模かつ高スループットなファイル・サーバーであれば、FlashBlade が向いています。また、NFS もしくは Amazon S3 を主たる目的とする場合に適しています。

最新の FlashArray//C は、大規模かつ汎用的なファイル・サーバーのベースとして利用できます。この領域においては、Compuverde の NAS ソフトウェア(vNAS)との統合により、大規模なユニファイド・ストレージとしての活用が待たれるところです。

ピュア・ストレージの製品ポートフォリオ

FlashArray//X で堅牢な Windows ファイル・サーバーを構築

FlashArray//X の Windows File Services について、もう少し詳しくご紹介します。簡単に言えば、FlashArray//X の中で Windows サーバーを動作させる仕組みのことです。

FlashArray の 2 基のコントローラ上で Windows インスタンスを 1 つずつ稼働させ、Windows のフェイルオーバー・クラスタリング機能を用いて冗長化を図っています。Windows ベースではありますが、NFS 共有を構成することも可能です。

Windows File Services on Purity

注意点としては、Windows ライセンスは、BYOL(Bring Your Own License:ユーザー自身の Windows ライセンスを利用する)形態を採ることがあげられます。ピュア・ストレージでは、Windows ライセンスの販売を行っておりません。ただし、FlashArray に搭載する Windows イメージは、ピュア・ストレージが用意したものを展開する必要があります。そのため、仮に Windows の機能で問題が発生した場合には、ピュア・ストレージがサポートを提供します。

こうして構成したファイル・サーバーは、一般的なファイル共有やホーム・ディレクトリ、コラボレーションなどのほか、VDI 環境でのユーザー・ファイルの格納場所に向いています。

具体的な挙動について解説します。FlashArray の 2 つのコントローラのそれぞれに構成した 2 つの Windows サーバー・インスタンス上で仮想ファイル・サーバーを稼働させ、SMB あるいは NFS のファイル共有を構成します。ファイル・サーバー/ファイル共有はどちらのインスタンスで稼働していても、同じようにアクセスすることができます。

FlashArray のコントローラからWindows File Services を利用して仮想ファイル・サーバを稼働させて SMB/NFS ファイル共有を構成

仮に、一方の Windows インスタンスが停止した場合でも、フェイルオーバー・クラスタリング機能でサービスは継続されます。また、コントローラ自体が停止してしまったとしても、仮想ファイル・サーバー/ファイル共有のサービスは透過的に移動し、サービスが停止することはありません。

セミナー当日は実機を用いて、ファイルをコピーしている間に Windows インスタンスを再起動させるというデモンストレーションを行いました。エクスプローラの進捗グラフでは、ファイル・コピーが瞬間的に停止したものの、自動的に復元してコピーを継続する様子が見られました。

Compuverde vNAS を取り込んで、さらに進化するピュア・ストレージ

ピュア・ストレージは、2019 年 4 月に SDS (Software Defined Storage)製品の vNAS を開発していた Compuverde 社を買収しました。FlashArray 上で動作する Purity//FA に vNAS の機能を取り込む計画が進行しており、2020 年中にリリースする予定です。ただし、汎用の IA サーバーを複数用いて構成できる vNAS と、筐体内に 2 つのコントローラで冗長性を持たせた FlashArray  では物理的に構成が異なります。そのため、将来的に提供される Purity//FA の NAS 機能と vNAS とでは、違いがあることにご注意ください。

Compuverde vNAS について簡単にご紹介します。vNAS では複数の IA サーバーを束ねて、1 つのストレージ装置として機能させます。データ保護の機能を実現できる 3 ノードが最小構成で、ノード連携および管理用ネットワークと、クライアント接続用のパブリック・ネットワークの 2 系統が最小で必要です。vNAS 上で定義したファイル・システムごとにパブリック・ネットワークを設定することで、マルチ・テナント運用を可能にします。

対応する NAS プロトコルは、NFS v3/v4/v4.1 と SMB 2.0/2.1/3.0/3.02/3.11 になります。vNAS の管理画面は Windows 上で動作する(地味な白黒デザインの)専用 GUI ツールですが、Purity//FA の洗練された管理 GUI に機能が取り込まれていく予定です。

おわりに

ピュア・ストレージのオールフラッシュ・ストレージでも、ファイル・サーバーを構築することが可能です。用途や規模ごとに使い分けることをおすすめします。複数の選択肢がありますので、お気軽にご相談ください。

詳しい製品説明やご提案をご希望の場合は、ぜひ担当の営業や SE、お付き合いのある販売パートナーにお知らせください。お問い合わせページからのご連絡もお待ちしております。

The Orange Ring – Tech の今後の開催スケジュールは、ただいま調整中です。決定しだい、本ブログ、ピュア・ストレージの Web サイトおよび Facebook でご案内します。

The Orange Ring – Tech ブログシリーズ

第 1 回 新しいストレージのカタチ-高速堅牢なオールフラッシュをクラウドライクに利用する
第 2 回 イマドキのストレージ設計-容量・性能はどう決める?
第 3 回 データ保護の最後の砦-バックアップの考え方
第 4 回 目標は簡素、実効は複雑なストレージマイグレーション
第 5 回 NVMe を最大限に活かすストレージ・ネットワーキングとは
第 6 回 AI/ビッグデータをビジネスに活かすには-統合ストレージの重要性
第 7 回 ストレージ運用の問題はアーキテクチャから解決する
第 8 回 最先端のストレージ監視-迅速な障害対応や将来予測が可能に
第 9 回 現代企業に最適なストレージとは-ピュア・ストレージの誕生から未来へ
第 10 回 エンタープライズでのコンテナ活用はストレージがポイント
第 13 回 ピュア・ストレージのアプローチは他社とどう違うのか?


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