はじめに

これまでのブログでご紹介したように、ピュア・ストレージの FlashArray と FlashBlade は、PhoneHome 機能によりログを 30 秒間隔でクラウド上の CloudAssist に送信しています。CloudAssist に蓄積されたログは、主に、サポートエンジニアが解析を行うために使用しますが、ピュア・ストレージでは、このログを活用したユーザーフレンドリーな GUI を Pure1(正式名は Pure1 Manage)として提供しています。Pure1 には、ピュア・ストレージ社員だけでなく、ユーザー様、パートナー様もアクセス可能です。Pure1 を使えば、管理する全てのアレイの状態をリアルタイムに確認できます。

Pure1 の概要は、ブログ「第 1 回:クラウドベース管理ツール Pure1 – 概要とメリット」で解説していますので、ご参照ください。

今回は、アレイの使用傾向の将来予測を表示する機能「Pure1 – Forecast」と、既存環境に対するハードウェア拡張のシミュレーションを実施する機能「Pure1 – H/W Simulation」の 2 つをご紹介します。

Pure1 – Forecast:将来予測

Pure1 では、複数アレイの性能と容量に関して、過去の使用傾向を 1 画面で簡単に確認できます。さらに、これらの結果を基にした解析を自動的に行い、将来の使用傾向を予測して同じ画面に表示します。これが Pure1 – Forecast 機能です。

Pure1 - Forecast 画面
図 1:Pure1 – Forecast 画面

上図は、「Projected Capacity」列でソートした結果を示しています。1 ヶ月以内に容量が枯渇する(100 % full に達する)アレイが、 5 アレイあることがわかります。この状況を解消するために、不要なデータを削除するか、容量を拡張するかを検討しなければなりません。
※通常はこの状況まで放置することはありませんが、私の Pure1 には POC 用のアレイも登録しているため、それらのアレイが幾つか表示されています。
※図 1 のアレイ名は実際のものではなく、本ブログ用に画面キャプチャ上で加工したものです。

ここで、任意のアレイを選択し、Forecast 機能を使用して将来予測をしてみましょう。図 2 は、過去 1 年間の使用傾向から、今後 1 年間の予測を解析した結果です。

過去 1 年間から将来を予測
図 2:過去 1 年間から将来を予測

これによると、1 年後のアレイの限界性能率(Load)にはまだ余裕がありますが、容量(Capacity)は 100 % full 近くに達するという予測が示されました。

また、Forecast グラフ内のバーを動かして任意の期間を選択することで、その期間を基に解析して将来の使用傾向を予測させることも可能です。例えば、本格的なサービスインは使い始めてから半年後というケースもあると思います。図 3 は、直近の半年を選択し、その使用傾向から解析した将来予測です。アレイの限界性能率も容量も、1 年後にはまだ余裕があるという予測に変わりました。

直近の半年から将来を予測
図 3:直近の半年から将来を予測

Pure1 – Forecast によって近い将来に性能か容量が枯渇することがわかった場合、当然、ハードウェアの拡張が必要になります。性能に対しては、コントローラを上位、あるいは最新世代モデルへアップグレードすることで対応しますが、どのモデルに交換するのが最適でしょうか?また、容量に対しては、データパックや拡張シェルフの追加で対応しますが、どのサイズを追加するのが最適でしょうか?

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FlashArray のハードウェア拡張は、簡単で無停止、かつサービス影響なしで行えます。詳細を動画で解説しています。ぜひご覧ください。

H/W Simulation:ハードウェア拡張のシミュレーション

Pure1 は、コントローラ交換と容量追加のシミュレーションも行います。それが、Pure1 – H/W Simulation 機能です。今回は、以下の条件で、ハードウェアシミュレーションを実施してみましょう。

  • SAS ベースの旧モデルである //M70 を使用中で、ベースシャーシの内蔵スロットに空きあり
  • Pure1 – Forecast により、アレイの性能は 1 年後に枯渇すると予測
  • Pure1 – Forecast により、アレイの容量は 1 年後も余裕があると予測
現在の構成と Pure1 - Forecast
図 4:現在の構成(左)と Pure1 – Forecast(右)


図 5 は、コントローラを既存の //M70 から最新の //X70R2 に交換した場合のシミュレーション結果を表示しています。

//M70 から //X70R2 に交換した場合のシミュレーション結果

//M70 から //X70R2 に交換した場合のシミュレーション結果
図 5://M70 から //X70R2 に交換した場合のシミュレーション結果

コントローラを //M70 から //X70R2 に交換することで、アレイの限界性能率が 81.6 %から 73.6 %に減少し、将来予測グラフの上昇率が緩やかになっていることがわかります。しかし、1 年後の予測を見ると余裕がありません。この機会に、1 つ上のモデル //X90R2 に交換するシミュレーションも行ってみましょう。

1 つ上位のモデルである //X90R2 に交換した場合のシミュレーション結果

1 つ上位のモデルである //X90R2 に交換した場合のシミュレーション結果
図 6://X90R2 に交換した場合のシミュレーション結果

//X90R2 に交換すると、アレイの性能限界率が 81.6 %から 63.6 %に減少し、将来予測グラフの上昇率がさらに緩やかになりました。これで 1 年後も比較的余裕をもった運用を続けることが可能であるというシミュレーションができました。

最後に、容量追加のシミュレーションも見てみましょう。既存の構成では、ベースシャーシの右スロット(図 7 の右下スロット)が空いているので、ここにデータパックを追加できます。追加できるデータパックのサイズの種類も Pure1 が表示してくれます。ピュア・ストレージの FlashArray は、SAS / NVMe 規格の混在も、サイズが異なるデータパックの混在もサポートしており、Evergreen を実現しています。今回は、NVMe 規格の 91 TB データパックを追加してみましょう。

データパックの追加
図 7:データパックの追加
容量追加のシミュレーション結果
図 8:容量追加のシミュレーション結果

データパックを追加することで、余裕をもった容量での運用が可能というシミュレーション結果が示されました。

まとめ

一般的なストレージでのハードウェア拡張には、既存環境のアセスメント ⇒ アレイの状態を確認 ⇒ それらの情報を元にサイジング ⇒ 追加する最適なハードウェアを検討する、という手順が必要です。Pure1 であれば、エンジニアはこれらの作業から完全に解放されます。Pure1 が最適なハードウェアを瞬時に、より正確に提案するため、あとは見積依頼を出していただくだけです。Pure1 は、ユーザー様、パートナー様もご使用いただけるため、最適なハードウェアの選定をご自身でコントロールすることができるようになります。

これまでにご紹介した Pure1 の機能は、FlashArray や FlashBlade の機能と同様に、製品に付属する標準機能であり、無償です。既にピュア・ストレージ製品をお使いのユーザー様も、POC を実施されるユーザー様も、ぜひご活用ください。

参考情報

第 1 回:クラウドベース管理ツール Pure1 – 概要とメリット
第 2 回:Pure1 機能:VM Analytics – VM レイヤーの性能情報までフルスタックで表示
第 3 回:Pure1 機能:VM Analytics – Collector の構築手順