FlashArray//C の概要

【04.07.2022 JST】データ削減率を考慮しなくても「No More HDD」が可能なオールフラッシュ・ストレージ FlashArray//C をご紹介します。

No More HDD

はじめに ― FlashArray//C リリースの背景

私が入社した 2015 年頃、ピュア・ストレージが好んで使用していたスライドがこちらです。

No More HDD

当時、SSD は非常に高価だったため、多くのストレージ・ベンダーの回答は、HDD と組み合わせたハイブリッド構成でした。一方で、オールフラッシュ構成を提案するベンダーも数社存在し、そのメッセージは、IOPS やレイテンシなどの圧倒的な高性能を強調したものでした。同じくオールフラッシュ構成を推すピュア・ストレージのメッセージは「No More HDD」であり、「価格を除けばオールフラッシュの方が絶対いいですよね?」という提案でした(まぁ、性能も他社に負けませんが)。

オールフラッシュ構成は、ハイブリッド構成における SSD へのヒット率に依存しない安定した高性能、デバイスの低い障害率、圧倒的な TCO(総保有コスト)等、HDD はもちろん、ハイブリッド構成に対しても GB 単価以外の全てが魅力的でした。そのため、ピュア・ストレージは、唯一の弱点である GB 単価を技術的に解決することに注力しました。具体的には、「重複排除と圧縮の技術で他社を圧倒し、データ削減率を考慮すれば」ハイブリッド〜HDD 構成と同等の GB 単価を実現したことです。

2022 年の現在まで、ピュア・ストレージは、オールフラッシュ分野を超えてプライマリ・ストレージのリーダーとして選ばれ続けています。当時の競合であった他社製品が終息していく中、開発当初からの「No More HDD」というアプローチは間違いなかったと確信しています。

ご参考
ガートナー 2021 マジック・クアドラントのリーダー「プライマリ・ストレージ」部門

データ削減の技術力は他社を圧倒していますが、裏を返せば「データ削減率を考慮しないと No More HDD は不可能」とも言えます。前述の魅力があったとしてもハイブリッド〜HDD の数倍の GB 単価のオールフラッシュ製品を購入するハードルは相当高いのではないでしょうか。

そこでピュア・ストレージは、約 3 年前の 2019 年に「データ削減率を考慮しなくても No More HDD が可能」なオールフラッシュ FlashArray//C をリリースしました。

FlashArray//C の概要

FlashArray//C は、FlashArray を冠する名称が示すとおり、2012 年からオールフラッシュとしてストレージ業界をリードし、多くのお客様のミッション・クリティカルな環境で鍛えられてきた FlashArray//X と同じ FlashArray ファミリーの製品です。これが最大の優位性であり、99.9999% の可用性、保守切れやデータ移行を不要にする EvergreenPure1 によるストレージの自律化といった //X の優位性は、//C にも継承されています。

FlashAllay//C - 実績値が証明する業界 No.1 の品質

//X と //C の構成は、ベース・シャーシ、NVRAM(書き込みキャッシュ)、コントローラのアーキテクチャ、ストレージ OS(Purity//FA)、ストレージ機能(*1) において全て同じです。違いは、//C が搭載するフラッシュ・モジュール(DirectFlash モジュール)では GB 単価に優れた QLC の NAND を採用している点です。

*1:Purity//FA のバージョンによって、//X と //C では使用可能な機能に若干の差があります。

FlashArray//CR3 のコンポーネント

詳しい方は、「QLC をエンタープライズ向けに採用して大丈夫なの?」と思われるかもしれません。その懸念は次回のブログで払拭させていただくとして、まずは「データ削減率を考慮しなくても No More HDD が可能」な点をご紹介します。

FlashArray//C の見積もり比較

以下のグラフは、//C の 2 モデル(//C40R3、//C60R3)と HDD 搭載の他社ストレージの価格を比較したものです。縦軸が「製品定価+保守料金」の相対値を示しています。もちろん、重複排除と圧縮機能による「データ削減率の考慮なし」を条件としています。

FlashArray//C - 価格シミュレーション

  • 145 TiB 実効容量(データ削減効果の考慮なし)構成の価格
    • オレンジ:FlashArray//C(//C40R3 と //C60R3 の 2 モデル)
    • 青:SAS HDD 搭載のエントリー・モデルとミッドレンジ・モデル
    • 濃紺:NL-SAS HDD 搭載のミッドレンジ・モデル、通常のドライブと自己暗号化ドライブ(SED)

この参考見積もりから、「//C は、削減率を考慮しなくても SAS HDD を No More HDD にすることが可能」であることがわかります。特に、ミッドレンジであれば、オールフラッシュの //C の方がむしろ安価なくらいです。こうなれば、SAS HDD を選択する理由はないはずです。一方、さすがに「//C でも削減率の考慮なしでは NL-SAS HDD を No More HDD にすることは難しい」こともわかります。

ただし、このグラフはあくまで見積もり価格です。NL-SAS でご検討中の皆さまも //C を思い出していただき、見積もりをお問い合わせください。ここまで「削減率の考慮なしでも」をキーワードにしてきましたが、//C のデータ削減機能は //X と同様に他社を圧倒します。削減率の考慮、TCO、オールフラッシュによる安定運用を含めた提案が可能です。

FlashArray//C の圧倒的な TCO コスト

FlashArray//C の最小構成

//C のフラッシュ・モジュールは、1 本あたりのサイズが 24.7 TB または 49.2 TB です。FlashArray の最小フラッシュ・モジュール数は 10 本のため、小さい方の 24.7 TB × 10 本で 247 TB が最小の物理容量、実効容量は 159 TB(145 TiB)となります。

「最小構成にしては大き過ぎる」と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、削減率の考慮なしで HDD 並みの GB 単価を実現するには、高密度なフラッシュ・モジュールが必須であり、最小構成としても大きくなります。そのため、ハイブリッド〜HDD で構成している VMware ESXi のデータストア以外にバックアップ・ターゲットとしてのボリュームを集約することも可能です。さらに、現在では、FlashArray はユニファイドで NFS/CIFS も対応可能なため、ログ置き場などの用途を集約するのもよいでしょう。HDD 並みの GB 単価かつ大容量のオールフラッシュ領域を効果的にご活用いただければ幸いです。

次回予告

次回は、FlashArray//C が QLC NAND をエンタープライズにふさわしい品質にレベルアップできている理由や、ユースケースの傾向をご紹介します。


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