Portworx PX-Backup:コンテナ永続データのバックアップとリストア

【02.17.2021 JST】Portworx が提供するコンテナのバックアップ/リストア機能「PX-Backup」をご紹介します。

Portworx PX-Backup

PX-Backup で Kubernetes アプリをすばやく容易にバックアップ/リストア

エンタープライズ・アプリケーションには、バックアップが不可欠です。迅速なバックアップとリストアが不可欠とされる例をいくつか挙げてみます。

  • データ保護:データ損失の防止は、エンタープライズ・ストレージの最大の懸念事項です。
  • コンプライアンス:GDPR 法 32 条では「定期的なバックアップは不可欠」とされています。
  • リカバリ要件:53% の企業が災害時に 1 時間未満の復旧を必要としています。(参照:451 Research)

しかし、次のような理由により、従来のバックアップ方法はコンテナでは機能しません。

理由 ① 従来のバックアップ方法は「マシン」にフォーカスしている
一方、コンテナ化されたアプリケーションは、マシンをまたいで実行されます。

理由 ② 従来のバックアップ方法では Kubernetes から情報を取得しない
一方、コンテナのバックアップには、Kubernetes の名前空間や設定などの概念のサポートが必要です。

理由 ③ 従来のバックアップは特定の部門で一元管理されている
一方、コンテナのバックアップは、エンドユーザーや開発者によるセルフサービスが好まれます。そのため、1 つのバックアップが他のバックアップに干渉することを避けなければなりません。

このように、Kubernetes アプリケーションが従来のバックアップ方法に依存していると、特定のアプリケーションだけをバックアップすることができません。それにより、次のようなリスクが生じることが考えられます。

  • 構成の復元に時間とコストがかかる
  • データの損失
  • 遅いリカバリ
  • セルフサービスができない
  • 手動処理
  • コンプライアンスとガバナンスのブラックホール
従来のバックアップ方法に依存している Kubernetes アプリケーションがさらされているリスク
図 1:従来のバックアップ方法に依存している Kubernetes アプリケーションがさらされているリスク

Kubernetes のコンテナ粒度のバックアップ・オプションがないと、企業は、データの損失、ダウンタイム、顧客からの信頼喪失といった危険にさらされます。
(参照:GIGAOM)

Portworx PX-Backup は、これらのリスクからビジネスを守るために構築されました。

PX-Backup の概要

ピュア・ストレージが 2020 年 10 月に Portworx の買収を発表したことを前回のブログでご紹介しました。Portworx はコンテナ・ネイティブ・ストレージを提供しており、Kubernetes クラスタに対してコンポーネント群によるバックアップ、ディザスタ・リカバリ、マイグレーション、RBAC、暗号化といった機能があります。エンタープライズ・ストレージに必要なデータ保護機能セットを本番環境において提供している数少ない製品といえます。

これらの機能の 1 つである PX-Backup は、ステートレス、ステートフルに限らず Kubernetes で実行されている全てのアプリケーションにエンタープライズ・グレードのポイント・アンド・クリックによるバックアップとリカバリを提供します。コンテナ化されたアプリケーション専用に構築された PX-Backup は、Kubernetes ポッド、名前空間、またはクラスタレベルでシングル・クリックするだけで、アプリケーションデータ、アプリケーション構成、Kubernetes オブジェクトを保護します。また、PX-Backup は、Amazon EBS、Google Persistent Disk、Azure Managed Disks、Portworx PX-Store、PSO などの主要なクラウド・ブロック・ストレージシステムとのネイティブな統合を提供します。

前述のように、従来のバックアップ方法では Kubernetes 対応のアプリケーションの保護が難しいことがわかりましたが、PX-Backup はそれらの問題を解決します。Kubernetes で実行されているアプリケーションをポッド、タグ、または名前空間レベルでバックアップし、FlashBlade やクラウドなどのオブジェクト・ストレージにバックアップできます。 その後、任意の環境で実行されている任意の Kubernetes クラスタに同じように容易にリカバリすることも可能です。

PX-Backup -きめ細かいバックアップとリストア
図 2:PX-Backup -きめ細かいバックアップとリストア

PX-Backup の特長

PX-Backup の主な特長は次のとおりです。

コンテナレベルの粒度 -マシンベースのバックアップでは不十分である問題を解決

PX-Backup はコンテナ粒度でバックアップ可能
図 3:PX-Backup はコンテナ粒度でバックアップ可能

PX-Backup は、コンテナ粒度でのバックアップを可能にします。VM 全体をバックアップする必要はなく、特定のアプリケーションに関連付けられているコンテナのみをバックアップできます。より効率的で低コストであると同時に、復元時間を短縮します。

Kubernetes 名前空間対応- k8s と連携して情報を取得

PX-Backup は Kubernetes 名前空間を認識
図 4:PX-Backup は Kubernetes 名前空間を認識

PX-Backup は Kubernetes 名前空間を認識します。アプリケーションに関連付けられている特定のコンテナ・セットをバックアップするだけでなく、Kubernetes 名前空間全体のバックアップも可能です。すなわち、全ての Kubernetes アプリケーションをワンクリックでバックアップできることになります。 従来のバックアップ・ソリューションでは、Kubernetes 名前空間が何であるかを認識できないため、この機能を提供できません。

アプリケーションの一貫性-分散システムにはアプリケーションの一貫性が必要

PX-Backup -分散システムにはアプリケーションの一貫性が必要
図 5:分散システムにはアプリケーションの一貫性が必要

Kubernetes で実行されるアプリケーションは分散システムであることが多いため、全てのバックアップにおいてアプリケーションの整合性を保つことが重要です。例えば、3 ノードの Cassandra データベースの 3 つの独立したスナップショットを取得して、破損なくリカバリすることは不可能です。PX-Backup は、アプリケーションの一貫性と高速リカバリを確保するために Cassandra、Elasticsearch、Kafka、およびその他の一般的なデータサービスのスナップショットを作成するために必要な方法を提供しています。

データとアプリケーションの設定をバックアップ-データだけでは不十分である問題を解決する、アプリケーションの設定と組み合わせたバックアップ

データとアプリケーションの設定をバックアップ
図 6:データとアプリケーションの設定をバックアップ

Kubernetes アプリケーションをどこでも簡単に実行できるのは、全ての構成がデプロイに含まれているためです。全ての Kubernetes アプリケーションに、シークレット、サービス・アカウント、カスタム CRD などの数十の構成ファイルを含めることができます。 PX-Backup は、ボリュームに格納されているデータとともに、これら全ての構成情報をバックアップの一部としてキャプチャし、アプリケーションを初めてデプロイするのと同じくらい簡単に回復可能にします。

マルチクラウドに最適化-ローカルおよび WAN ベースのディザスタ・リカバリのオプション PX-DR を提供

PX-Backup -マルチ・クラウドの環境向けに最適化
図 7:PX-Backup はマルチクラウドの環境向けに最適化

PX-Backup は、マルチクラウドの環境向けに最適化されています。 アプリケーションは任意の環境で実行し、s3 互換のオブジェクト・ストアにバックアップして、他の場所にリカバリできます。 Kubernetes 環境にバックアップするのと同じくらい簡単にマルチクラウド・バックアップを実現します。

PX-Backup の機能

このセクションでは、PX-Backup の重要な機能を実際の画面のキャプチャとともにご紹介します。

バックアップのソース、宛先、ポッド、タグ、または名前空間を簡単に選択

PX-Backup - create backup
図 8:PX-Backup - Create Backup

クラウドにデータをバックアップ

PX-Backup -Add Cloud Account
図 9:PX-Backup -Add Cloud Account

バックアップを自動化するポリシーを設定(時間間隔・日次・週次・月次の設定が可能)

PX-Backup - Schedule Policies
図 10:PX-Backup - Schedule Policies

分散データ・サービス・アプリケーションで、一貫性のあるバックアップを確保するためのルールを作成

PX-Backup -Rule Name
図 11:PX-Backup -Rule Name

バックアップの進捗をリアルタイムで表示

PX-Backup - Process
図 12:PX-Backup - Progress

使用状況メトリクスを含むダッシュボード

PX-Backup - Dashboard
図 13:PX-Backup -ダッシュボード

作成日などのメタデータを含むバックアップを簡単に表示

PX-Backup - Backup List
図 14:PX-Backup - Backup List

リソースタイプごとにグループ化されたバックアップの詳細ビュー

PX-Backup - Backup Details
図 15:PX-Backup - Backup Details

アプリケーションのシンプルなリストア

PX-Backup - Restore Backup
図 16:PX-Backup - Restore Backup

バックアップするリソースタイプまたは個々のオブジェクトを選択

PX-Backup -バックアップするリソースタイプまたは個々のオブジェクトを選択
図 17:バックアップするリソースタイプまたは個々のオブジェクトを選択

リソースレベルの粒度で選択可能なリストア

PX-Backup -リソース・レベルの粒度で選択可能なリストア
図 18:リソースレベルの粒度で選択可能なリストア

以上、今回は Portworx のバックアップ機能である PX-Backup をご紹介いたしました。PX-Backup は PX-Enterprise とは分離しており、単体で Kubernetes 環境にインストールし、EKS、GCP、Azure 環境や、オンプレ Kubernetes 環境でお使いいただけます。

前回ご紹介した PX-Central では、30 日間の無償ライセンスをご提供しております。ぜひ一度お試しください。


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