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はじめに

シニアシステムズエンジニアの北沢です。今回は、FlashArray の Quality of Service(QoS)機能についてお話ししたいと思います。

FlashArray シリーズでは、ストレージのサービスレベルを制御するための QoS 機能がサポートされています。Purity 5.1.x の時点の FlashArray では、Always-On QoS と Policy QoS の 2 種類が提供されています。これらはそれぞれ独立した機能ですが、併用することも可能です。

FlashArray QoS

図 1:FlashArray QoS

Always-On QoS

Always-On QoS は、I/O 要求の低いボリュームが、高いボリューム(ノイジーネイバー)から受ける影響を最小限に抑えるための制御を行います。Purity 5.0.0 以降のバージョンでは、この機能がデフォルトで有効化されています。

ある特定のボリュームの I/O 要求が高くなり、FlashArray リソースが飽和してしまうと、その影響(応答時間)が全てのボリュームに波及してしまいます。Always-On QoS は、FlashArray 全体の負荷とボリューム単位のリソース消費状況を継続的に再評価し、I/O 処理の優先順位を自動調整することにより、I/O 要求の低いボリュームが受ける影響を最小限に抑えます。

Always-On QoS

図 2:Always-On QoS

Policy QoS (帯域幅制限)

Purity 5.1.0 以降で利用可能になった Policy QoS は、帯域幅を制限することにより、FlashArray 全体の性能を管理して過剰なサービスを抑えるための制御を行います。帯域幅の制限値は、ボリュームごとに 1 MB/s ~ 512 GB/s の範囲で指定します。帯域幅を指定しないボリュームは、デフォルトでは「制限なし」とみなされます。

Policy QoS

図 3:Policy QoS

Policy QoS は、ボリューム作成時に指定可能です。作成済みボリュームに対しても変更することができます。

Policy QoS の設定

図 3:Policy QoS の設定

接続先 OS が HP-UX、Solaris、AIX の場合は、OS 固有のキューイング仕様にあわせる必要があります。「Hosts」のタブから「Personality」の設定ダイアログで接続先 OS を設定します(図 5)。

Hosts > Personality の設定

図 5:Hosts > Personality の設定

なお、Purity 5.1.x 現在、Policy QoS は以下のボリュームではご利用になれません。最新の情報は Purity//FA のリリースノートをご参照ください。

  • ActiveCluster ボリューム
  • Windows File Services(WFS)ボリューム
  • VMware RDM ボリューム(ゲスト OS が Linux の場合を除く)
  • VMware VVol

まとめ

FlashArray には 2 つの QoS 設定があります。

  • Always-On QoS:しきい値などの指定がなく、I/O 要求数に依存しないストレージサービスを可能にします
  • Policy QoS :ボリュームごとに利用可能な最大帯域幅を指定することで適正かつ継続的なストレージサービスを可能にします

QoS 機能につきましては、ActiveCluster 対応を含め、今後も充実させてまいります。どうぞご期待ください。