著名な起業家・マーケターであるセス・ゴーディン(Seth Godin)は、マーケティングの価値はストーリーを語ること(ストーリーテリング)にあると唱えています。確かに、優れたブランドはストーリーテリングにも優れていますね。ストーリーテリングが、お客さまとのつながりを築くうえで重要な役割を担っているのでしょう。
今回ご紹介するサム・マラチーニは、ピュア・ストレージの名誉チーフ・ストーリーテラーとして知られています。このブログでは、サムのことを少し詳しくお話ししたいと思います。プライベートと仕事の両面でいかにストーリーテリングに情熱を注いでいるかを中心に、ディズニーとスター・ウォーズに対するオタクぶりにも触れてご紹介します。
「チーム・オレンジ」へ
サム・マラチーニは、ピュア・ストレージのパートナー・ソリューション部門ディレクター兼パートナー・エバンジェリストです。ピュア入社が 2018 年。それ以前は、顧客、チャネル・パートナー、競合の立場での職務に就いていました。ピュアへの入社を決意した理由は、カルチャーと製品に対する純粋な好奇心からでした。
サムは次のように述べています。「20 年も同じことを繰り返していると、なかなか新しいことが考えられなくなります。ところが、ピュアを知って、新たなチャレンジができることに気づいたのです。」
ピュアは、ビジュアル・アイデンティティも含めて、他とは一線を画していました。「ピュアの創業は 2009 年。そのとき既に、数十年前からストレージを扱ってきた競合がいくつも存在しました。彼らはおしなべて顧客に対して同じようなことを言い、同じようなものを提供していました。企業ロゴも似たような青色でした。しかし、ピュアは違いました。従来型のプロバイダとは正反対の存在とはどのようなものだろうか?青の反対色は何色?」そう、オレンジ色だったのです。
「ピュアのオレンジは、単なる色ではなくカルチャーそのものです。常にカスタマー・ファーストを心がけ、行動の指針としています。オレンジ色は、あまり深刻にならず、むしろちょっと楽しみながらワールドクラスのソリューションをお客様に提供するというカルチャーをよく表しています。」
オレンジ色で表現されるエネルギーと、人財、パッション、テクノロジーは、サムがこれまでに発信した一連のストーリーの源となっています。サムのストーリーの一部は、ピュアの YouTube チャンネルからご覧いただけます。それらのストーリーはサムのヒーローズ・ジャーニー(英雄の旅・成長の旅)であり、私たち社員それぞれがジャーニーの中で大切な役割を担っています。
ディズニーとダース・ベイダー、バックストーリーの魅力
サムは、プライベートでも YouTube を通じて発信しています。ディズニーの世界を深掘りする YouTube チャンネル Sam’s Disney Diary(サムのディズニー日記)を運営しています。チャンネル登録者数は約 3 万人。「さあ何が出るか…」というキャッチフレーズどおり、毎回何が出るかわからない内容となっています。
サムがディズニーの魅力に取りつかれたのは、10 代のころにディズニー・パークを訪れたことがきっかけでした。スター・ウォーズを劇場で初めて観たのもそのころでした。「圧倒されました。それらが全て誰かが創作したものであることに気づいて、ストーリーテリングがいかに重要なものであるかを知りました。説得力のあるストーリーがなければ、感動は生まれません。」
ストーリーに対するパッションを深めるきっかけとなったのは、ダース・ベイダーというキャラクターでした。「ダース・ベイダーの魅力は声だけではありません。愛する者を失う恐怖に駆り立てられ、選ばれし者から悪の象徴へと変貌するというバックストーリーが秀逸なのです。」
サムの YouTube チャンネルでは、バックストーリーや逸話が多く取り上げられています。それぞれのストーリーを掘り下げて、バックグラウンドまで紹介しています。ディズニー・パークで撮影した動画による新しいアトラクションの紹介(2 日間の体験型アトラクション「ギャラクティック・スタークルーザー」など)、各人気キャラクターの歴史、インタビューなど、内容はさまざまです。「私自身が知りたいと思うことをコンテンツとして制作し、配信しています。」
バックストーリーは人をつなぎます。親近感を生み、共感を呼び、人を引き込む力となり、マーケター、エバンジェリストにとっては、自身のミッションや真意を伝えるためには欠かせない要素となります。
まさにヒーローズ・ジャーニー
ピュアでサムが実践するストーリーテリングには、ディズニーの世界の「ヒーローズ・ジャーニー」から得たインスピレーションが活かされています。世界を変えるために創業したストレージ企業のストーリー。ストーリーを伝えること、ストーリーがいかにお客様や社員をピュアの製品に惹きつけるかを伝えることが、ピュア社内でのサムのミッションの一部となっています。「ストーリーを伝えると、そのストーリーが実現するのです。」
どんなテクノロジー企業でもできるというものではありません。
ディズニーの世界は想像上の世界です。それに対してサムは次のように述べています。「ピュアの世界は現実の世界です。これまでテクノロジーに関してさまざまな困難を経験したお客様に、あらゆるものを変えるパワーとなる製品を提供しています。まさにヒーローズ・ジャーニーです。」