みなさん、こんにちは!「FlashBlade って何?」をテーマにした連載 2 回目となる今回は、FlashBlade のネットワーク構成についてご説明したいと思います。
FlashBlade は、容量と性能を無限にスケールアウトできるように、Key-Value データベースをコアとし、NFSv3、SMB2.1、S3 オブジェクトに対応した、並列処理に強い NAS ストレージシステムです。
Elastic Fabric Module(エラスティックファブリックモジュール)
筐体背面にある 2 つの Elastic Fabric Module(EFM)に、合計 8 つの 40 Gb/s QSFP ポートを搭載しています。これらをお客様環境のスイッチにアクティブ / アクティブのポートチャネル構成で接続することで、最大 320 Gb/s のネットワーク帯域幅を提供します。
EFM では、ネットワーク制御だけでなく、GUI、CLI、REST API を提供する Purity//FB が動作しており、NFS、SMB、S3 といったデータサービスや管理ネットワークを仮想ネットワークで構成します。この仮想ネットワークがポイントです。最初の設置時に物理的に結線しておけば、その後のネットワーク変更は全てリモートによるソフトウェア設定で行うことができます。
EFM と各ブレードは、内部的に 10 Gb/s x 2 パスで冗長接続されます。しかし、EFM が管理ポイントになるため、ユーザーは各ブレードを意識する必要はありません。また、EFM とブレードが接続される筐体内部のミッドプレーンは、完全なパッシブデバイスです。今後 10 年程度の使用に耐えられるように、より広帯域なブレードやファブリックモジュールとの接続を考慮したシャーシ設計となっており、FlashArray と同様に Evergreen なストレージを提供しています。
マルチシャーシ構成
さらに、5 台までの FlashBlade を 1 台のストレージとして構成する、マルチシャーシ構成のための XFM(eXternal Fabric Module)がリリースされました。2 台 1 組の冗長構成で提供しており、1 台あたり、FlashBlade 接続用の 40 / 100 Gb/s ポートを 20 ポートと、10 / 40 / 100 Gb/s のアップリンクを 8 ポート搭載しています。また、管理用のシリアルと 1 GbE の管理ポートを搭載しているため、最大 5 台までの FlashBlade、つまりブレード 75 基 を、XFM を通して一元管理することが可能です。
下図のようなマルチシャーシ構成により、最大 8 PB もの実効容量を簡単に実現することができます。
この実効容量を他社のストレージで実現することを想像してみてください。1 つ 8 TB の HDD を RAID0 で 1000 本、データ保護を考えるとさらに倍近くの 2000 HDD が必要になり、性能を考慮した綿密な設計が不可欠となります。また、HDD が 20 本で 2Uと考えると、ディスクだけで 100U も消費され、このほかにコントローラの設置スペースが必要になります。消費電力に至っては、計算したくもありません。
一方、マルチシャーシ構成の FlashBlade なら、22U で性能設計は不要ですし、消費電力も 10 kva 以下ですみます。
もちろん、サービスを停止せずにマルチシャーシ構成にすることも可能です。性能や容量が不足したら、ブレード本数を増やすことでリニアにスケールアウトします。
これまでに体験したことのないような世界を実現する FlashBlade を、ぜひご検討ください。