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どのような成果をめざすかという視点で、要件を整理してみます。運用環境の一部または全部をクラウドに移行したいが、その際に、業務の中断や大きな出費があってはならない、移行すべきワークロードを、自組織のスケジュールにあわせてクラウドに移行したい、と考えるはずです。大規模なインフラ投資だからといって性急な移行を迫られるのは、好ましい状況ではありません。混乱のないスムーズな移行が必要です。

ROI を最大化し、ビジネスの中断を最小限に抑えるための効果的なアプローチとして、アプリケーション・アーキテクチャの変更が不要で、消費ベースの課金モデルを提供するクラウドへの移行が考えられます。Microsoft Azure VMware Solution は、このアプローチに最適なツールであり、一貫性のあるツールを利用することで、ワークロードの移行と実行の信頼性が高まります。

求める要件:

  • コストの制御性と柔軟性
  • 既存のアプリケーションのリファクタリングを必要とせずに、将来、クラウドネイティブなサービスを利用できる柔軟性(特に VMware のワークロードに関して)
  • 既存のアプリケーションと、関連する新規のアプリケーションの運用一貫性の確保と、新たなアプリケーション戦略への投資

避けたい事柄:

  • 業務への影響(中断や変更)
  • クラウド・インフラ管理のオーバーヘッドと複雑化
  • セキュリティ・リスクの増大

Azure VMware Solution は、これらの課題をすっきり解決します。しかし、VMware プラットフォームだけで全てが解決するわけではありません。オンプレミスの VMware 環境の重要な構成要素の 1 つが外部ストレージです。オンプレミスで稼働する VMware ワークロードの大半は外部ストレージを使用しており、その大半はブロックベースのストレージです。これまで、クラウド上の VMware 環境に欠けているものがありました。オンプレミスとクラウドの間で、外部ブロック・ストレージ・アーキテクチャに必ずしも一貫性がなく、ワークロードのクラウドへの移行やデプロイメントの障壁となっていました。

コラボレーションを通じて Azure VMware Solution のストレージ・エクスペリエンスを改善

ピュア・ストレージは、Pure Cloud Block Store によるブロック・データストアを Azure VMware Solution(AVS)の環境でも利用可能にし、現在、パブリック・プレビューを提供しています。これにより、ニーズに応じて追加のストレージをプロビジョニングし、Azure VMware Solution 環境をフルに活用できます。コンピュート・リソースをスケールアウトする必要はありません。オンプレミスのワークロードのクラウドへの移行が、これまで以上にシンプルに、迅速に、コスト効率よく行えるようになり、最短での ROI が期待できます。

ソフトウェア定義の Pure Cloud Block Store は、ネイティブな Azure  インフラで完全に動作し、Purity が提供する関連機能を全て Azure で利用可能にします。データ削減、シン・プロビジョニング、即時のスナップショットとクローニング、常に有効な保存データ暗号化(Data at Rest Encryption)、スナップショットのスケジューリング、継続的レプリケーション、アクティブ/アクティブ構成のレプリケーション、QoS(Quality of Service)、SafeMode、Azure Blob Storage へのオフロードなどの機能に加えて、ピュア・ストレージの開発による VMware 向けの高度な機能も備えています。

VMware 向けの機能は、ピュア・ストレージと VMware の長期にわたる協力の成果です。これについて詳しくは後述します。

連携をさらに強化するため、Pure Cloud Block Store のアーキテクチャにおいては、コスト効率と性能を同時に向上させる改良が始まっています。Pure Cloud Block Store は、バックエンドのストレージとして Azure Premium SSD v2 のサポートを新たに追加しました。以前のバージョンの Pure Cloud Block Store と比較して、コスト効率が 200~300% 向上しています。さらに、Purity が動作するコンピュート・インスタンスの改善により、IOPS とスループットが最大 30% 向上しています。ピュア・ストレージは、このような削減効果を全てお客さまへの価値として提供しています。

Azure を利用されているお客さまは、Microsoft Azure の消費コミットメント(MACC)を利用して Pure Cloud Block Store のストレージを購入し、Azure VMware Solution 環境の VMware のデータストアとしてアタッチできます。

また、Evergreen//One サブスクリプションの活用も可能です。必要に応じて、オンプレミスの FlashArray システムから Azure 上の Pure Cloud Block Store に容量を移行できます。Azure VMware Solution でサポートされている VMware のユニバーサル・ライセンスと組み合わせることで、ピュア・ストレージを基盤とするオンプレミスの VMware 環境に真のモビリティがもたらされます。ライセンスの組み合わせによる柔軟性とモビリティによって、クラウドへの移行やハイブリッド・クラウド・アーキテクチャのリバランスに伴うリスクを回避できます。移行や容量の割り当ては、契約更新サイクルに合わせて行う必要はなく、お客さまのニーズに応じて実施できます。

VMware との長期にわたる協力関係の成果

Purity は、FlashArray をはじめとするピュア・ストレージの全プラットフォームに共通するオペレーティング環境として、インテリジェンスを備えた管理機能を提供しています。Purity は、シンプルさと効率性を重視して設計されています。効率性は、業界屈指のデータ削減エンジンによってもたらされています。このエンジンは、シン・プロビジョニングをはじめとする基礎的な効率化機能および、重複排除、圧縮、パターン除去などの高度なテクノロジーによって、大幅な効率化を可能にしています。ピュア・ストレージのプラットフォームと機能にはこれらのテクノロジーが活かされており、プラットフォーム上だけでなく、レプリケーション時にも肥大化することなく、高効率性を維持します。

さらに、イノベーションを継続して提供する Evergreen サブスクリプション・モデルにより、製品の継続的改善をアプリケーションの移行なしで実施する仕組みを実現しました。

高密度、高性能、柔軟性、シンプルさという特長を備えたピュア・ストレージは、VMware 環境に最適です。

ユースケースに完全に対応するために、ピュア・ストレージは、10 年にわたって、Purity 製品スイートのブロック・ストレージを VMware vSphere プラットフォームに統合してきました。ベスト・オブ・ブリードのソリューションの開発に注力し、チューニングや複雑な設定を行わなくても、導入してすぐに統合が機能することをめざしました。VMware との直接の協力を通じて、デフォルトの状態で最適な動作を実現できるよう、VMware 製品チームとの間でエンジニアリング・デザインのパートナーシップを構築し、ピュア・ストレージの堅牢な機能セットを可能な限りシームレスに VMware 環境に実装してきました。

VMware がクラウドに移行するとともに、ピュア・ストレージもクラウドに対応しました。FlashArray のための Purity のバックエンドをフラッシュに最適化させて構築したように、Azure の利点を活かすべく Purity のバックエンドを設計し、Pure Cloud Block Store と命名しました。機能は Purity と同様で、バックエンドのアーキテクチャが異なります。

以上で述べたように、Pure Cloud Block Store と Azure VMware Solution の連携は、ピュア・ストレージのオンプレミス向けのソフトウェアを VM に移植するという単純なものではありません。Azure 向けに設計されたストレージ・プラットフォームであり、Purity と VMware のパワーを Azure VMware Solution 上で提供するものです。

スピードとコスト効率がさらに向上

Pure Cloud Block Store for Azure VMware Solution により、ピュア・ストレージの 10 年以上にわたる VMware 統合の開発成果が実装された Azure VMware Solution の環境で、Premium SSD v2 が利用可能になりました。

Pure Cloud Block Store との相乗効果によって、 Azure VMware Solution のユーザーは、ストレージ負荷の高いワークロードやアプリケーションを、優れたコスト効率でサポートし、オンプレミスと同様のストレージ・エクスペリエンスを、クラウドベースのリソースで再現します。ピュア・ストレージは、Azure VMware Solution(AVS)環境での Premium SSD v2 の活用をサポートします。

まとめ

ROI の達成を加速

Pure Cloud Block Store のブロック・ストレージは、ストレージの最適化を可能にし、ストレージ容量の購入と消費のミスマッチを軽減します。結果として、AVS の大規模運用の総コストが大幅に削減され、ROI 達成の促進、より多くのワークロードのクラウド移行、サービス支出(例:SQL アズ・ア・サービスの利用)へのシフトが可能になります。

実績のあるツールで移行をシンプルに

移行には、使い慣れたツールを利用できます。VMware の移行ツールでワークロードを AVS へ。オンプレミスで FlashArray を利用されているお客さまは、Purity のデータ・サービスによって、Azure VMware Solution にデータを容易にレプリケートできます。Pure Cloud Block Store のボリュームのデータは、Purity オペレーティング環境内にあり、完全な相互運用性が確保されています。

移行先をセキュアに

前もって考慮すべき要件には、コストだけでなく、プロセスやセキュリティも含まれます。Purity のストレージ管理ツールやデータ保護機能は、全て無償で提供されます。SafeMode は常に有効で、ランサムウェア対策は導入時からデフォルトで機能しています。これにより、大規模なインフラ戦略にクラウドを組み込む際に、Azure データ・サービスによる従来型ワークロードのアプリケーションのモダナイズを検討する余裕が生まれます。

このソリューションを是非ご活用ください。Azure マーケット・プレイスからのデプロイメント、あるいは、ピュア・ストレージの Terraform プロバイダのご利用が可能です。

詳しい情報は、avs@purestorage.com 宛てにご連絡ください。